定期分配型ファンドの4月末純資産残高は前月末比5.0%増の40兆5141億円となり、2カ月ぶりに増加した。投信情報サービス会社リッパーのデータを基にロイターが集計した。国内外の株価が反発したことや円がドルやユーロに対して下落したことで資産価値を押し上げたもよう。
4月は東証株価指数(TOPIX)が約12%上昇したほか、S&P総合500種指数が約5%、FT100種総合株価指数が約7%上げるなど国内外の株価が反発した。さらに、円がドルに対して約4%、ユーロに対して約3%下落するなど円高が一服し、外貨建て資産に投資するファンドの資産価値が上昇した。
米サブプライムローン問題による金融市場の混乱以降、信用リスクを抑えた先進国債券に投資する外債ファンドの人気が続いている。毎月分配型外債ファンドの代表格である国際投信投資顧問のグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)62002137JPや大和証券投資信託委託の「ダイワ世界債券ファンド(毎月分配型)」62005338JPなどでも4月も資金流入傾向が続いたという。
「新興国など高金利通貨の債券に投資するファンドも人気が高まってはいるが、投資対象国のリスクの顕在化などで波がある。その点、投資対象をソブリン債中心にして信用リスクを落とした外債ファンドの人気は安定している」(大手投信会社)という。また、昨年の金融商品取引法の完全施行を受けてリスク説明などを強化した銀行にとって、「投資家に対するリスクの説明がしやすいという点も、定期分配型外債ファンドが見直された一因」(業界関係者)との指摘もある。
4月に設定された定期分配型ファンドは12本で3月の22本に比べ減少した。内訳は毎月分配型が2本、隔月分配型が2本、3カ月毎分配型が8本。ほとんどが小粒な設定で新規の中では日興アセット・マネジメントの「日興高金利通貨ファンド(毎月分配型)62006586JP」の月末残高が約178億円でトップだった。償還はなし。
定期分配型ファンドは分配回数が年4回以上あるもので毎月分配型(年12回決算)、隔月分配型(年6回決算)、3カ月毎分配型(年4回決算)がある。定期的に分配金を受け取れるため、年金等を補完する退職後の資産運用商品としてニーズが高い。ゆとりある老後生活を求める年金受給世代や、その予備軍である団塊世代を中心に人気が根強く、郵便局が扱う投信も定期分配型が販売額全体の多くを占めているもよう。
定期分配型のなかでも人気が高い毎月分配型ファンドの残高も4月は同5.1%増の31兆7946億円となった。定期分配型全体の過去最高残高は2007年10月の44兆3619億円。
通常、定期分配型ファンドは株式投信として設定されるが、債券型が3カ月決算ファンドに6本、隔月決算ファンドに2本含まれる。債券型を除いた株式投信のみの定期分配型ファンド残高は40兆4865億円だった。
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