<ドイツ証券グローバル・マーケッツ統括本部 シニア為替ストラテジスト 深谷 幸司氏>
7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でドル安の流れが本質的に変化したとは思わない。
G7では公的資金投入に前向きな姿勢も見られなかったし、資本増強などの自助努力で現状を改善するというフレームワークも変わっていない。
ただ、ベアー・スターンズ(BSC.N: 株価, 企業情報, レポート)で経験したような混乱を避け、システミックリスクを回避しようとするG7の姿勢は断固としたものがあり、金融当局がセーフティーネットを敷いているという安心感はある。金融機関はこのセーフティネットの上の綱渡りをしている状態だろう。
ユーロ/ドルはG7後にいったんポジション調整で下落したが、持続性があるようには見えない。
G7を経て、ドルは3月に経験したような急落を繰り返すリスクはなくなったと思うが、投資家のリスク回避姿勢の解消には時間を要する上、ドル金利は一層の低下が見込まれ、基本的にドル安の流れは継続するだろう。
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