10万ルピー(約26万円)という超低価格な乗用車「ナノ」を発表して注目を集めているインドの自動車メーカー「タタ・モータース」が、この夏に東京証券取引所に上場する予定だ。果たして、個人投資家に取って、タタ・モータース株は買いなのだろうか?
ナノが注目されているが、実は、タタ・モータースは、バスやトラックなどの商用車で国内シェア5割以上を持っており、商用車ではインド第1位の規模。3 月には、ジャガーとランドローバーを買収するなど、積極的な規模拡大路線を打ち出している。インドのビジネスに詳しいインド・ビジネス・センター取締役の須貝信一氏は、「タタ財閥は多国籍企業グループの性格を持ち始めており、その旗艦企業であるタタ・モータースもM&Aを繰り返し、インドの銘柄とは言えなくなるかもしれない」という。
その言葉通り、タタ・モータースは、2004年にニューヨーク株式市場にADR(米国預託証券)を利用して上場するなど、海外でも上場を果たしている。ADRは、米国以外の国の企業などが発行する有価証券を、米国市場で米国内株式のように米ドル建てで売買できる有価証券の一種。すでに、タタ・モータース株の海外機関投資家の保有率は4割ほどになっている。
今回の日本でのタタ・モータースの上場は、JDR(日本預託証券)を利用する。JDRとは、海外企業の株式を担保にして、海外企業が発行した株式を銀行などが預り、その銀行などが発行する証券で上場する方式。円建てで、国内株と同じように投資できるのが特徴だ。これなら、個人投資家でも売買しやすい。
タタ・モータースは、今後3年間で1200億ルピーの設備投資を計画しているという。今回の日本での上場目的は資金上達で、1000億円規模になる見込みだ。
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