今回は岩崎さんの体験記をお届けします。200万損したデモ取引に始まり、見事タイミングをつかんでよいポジションを取るも、サブプライムショックにはやはり傷つき、どっこい「ユーロ/ドル」でふえふえ…。めげずに上を向くのが、運をつかむコツかもしれません。
■デモ取引で200万損 体得したFX用語の意味
今回は、私のFX体験記をざっくりと書いてみようと思います。
私がFXに口座を開いたのは、昨年の1月でした。FX業者のHPから資料をダウンロードしてFXの基本的な事項を読んでみたのですが、さっぱり頭に入ってきません。どうして、こうも分かりづらい説明なんだ!と、自分の理解力のなさを棚上げするダメ投資家でした。
とりえあえず、試しながら覚えていこう。そんな軽い気持ちで、まずはデモトレードをしてみることにしました。
その頃は、用語の意味さえ、ちゃんと理解できていませんでした。とりあえず、FX業者のHPを見ると、南アフリカランドがスワップでは一番高いということを知り、デモ取引では南アフリカランドをレバレッジをかなり高く設定してロングしました。
翌日起きたら、ちょうど円安に動いてたらしく100万円程ふえふえしていました。しかし、その次の日、起きてデモ取引画面を見たら、200万円の損失が出ていて急激にテンションが下がりました。
このようにデモ取引してみて、ようやくレバレッジの意味について本当に理解することができました。今では笑い話ですが、当時は、画面を開くたびに損益のUPダウンが激しくて、でも刺激的な毎日を過ごしていたと思います。危険すぎる個人投資家の典型ですね。
デモ取引とはいえ、こんな危ない取引を経験した結果、とりあえずの作戦として、暴落が来て円高になるまで待とうと思いました。そのころは1ドル=120円台で、どの通貨も割高感を感じていたからです。
すると、中国発の大きな暴落が発生して、世界的に株価・為替が急落したではありませんか。待っていた暴落が来たわけです。
■投資を知って世界が変わる
運良く、かなり下がったちょうど良いタイミングでロングすることができました。ここぞとばかりに「下がったら上がるしかない」と思い、レバレッジを高めに設定しました。
その後、円安に相場が動いて、毎日、会社から帰ってきて画面をチェックするのが嬉しくて仕方ありませんでした。
当時、ごく普通のOLだった私は、買い物していても「このランチはスワップで食べているんだ!」という嬉しい実感がありました。このワクワク感を誰かに話したい! しかし、友人で投資している人はいないし、もちろん会社の人には黙っていました。「知ってるのと、知らないのでは、世の中、大きく違うものだな」と、つくづく感じました。
少々無理したポジションだったので、数ヵ月後にふえふえした通貨をほぼ決済して、リセットしました。そして、複数口座を持ち、ふえふえした資金の一部を分散して取引しました。生活上でも先行きが不安だったので、一部は定期預金で持つことにしました。
■サブプライムショックを体験
そんな中、円キャリーにも陰りが見え始めます。そして決定的だったのが、8月のサブプライムショックでした。
相場がかつてないほど大きく暴落しました。そして、初めての損切りを決行しました。ロスカットも経験しました。
初心者には精神的にも金銭的にも辛い時期でした。FXは、24時間世界中で取引されています。保有しているポジションが気になって、一晩中起きていた時もありました。なぜなら、画面を消しても眠れないからです。
その結果、目の下にクマができるし、お肌はボロボロ、精神的にもボロボロでした。
■痛みを知って自分なりの投資スタイルを確立
とにかく、呆然とするばかりでしたが、思い切って、必死の覚悟でふえふえした資金の一部でレバレッジを強めにかけてみました。一方、他口座では、外貨預金程度のレバレッジで運用するようにしました。
取引を始めた当初は、右も左も分からなかった私ですが、プロも参加している相場で、簡単に素人が勝てるほど甘くないと改めて感じ、自分なりに少しずつ勉強を開始しました。
いろいろと調べていくうちに、アメリカ経済に暗い影を落とす、サブプライム問題や、アメリカが抱えている双子の赤字、原油の決済が基軸通貨のドルからユーロにシフトしていることが分かってきました。そして、ドルからユーロにお金が移動していくのではないだろうか?という予測を立てたのです。
そこで、世界的にもっともポピュラーな通貨ペアの「ユーロ/ドル」を保有してみました。その頃のスワップはマイナスでしたが、流通量が圧倒的に多く、動きが比較的安定してるので安心感がありました。
すると後になって、ドルがどんどん弱くなり、ユーロ/ドルでふえふえすることができました。投資には運もあると思いますが、振り返ってみると暴落の時にタイミングよくポジションを持ったことが幸を奏したようでした。
このように、ふえふえ&へりへり投資を経験しましたが、投資をして一番良かったのは、リアルに個人投資家と会って話したり、友達になれたりしたことでしょうか。投資は孤独になりがちですが、身近な人と投資の話をすることで、精神的にとても楽になりますし、刺激も受けます。
また、知らなかった新たな分野への興味も湧いてきます。最終的には、自分なりの投資スタイルが確立されてきて、余裕も生まれるようになります。
まだ、スタートラインに立ったばかりの私ですが、これからもファイナンシャルインテリジェンスを鍛えて投資に挑戦していこうと思います。
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