金融機関が顧客の「資産運用ニーズ」を獲得しようとする動きが活発になっている。外資系金融機関が進出したほか、既存の銀行や生命保険会社も取り組みを強化。湘南地域や田園都市線沿線などの富裕層や、これから退職金を受け取る団塊世代などを巡って、争奪戦が激しさを増しそうだ。
金融大手HSBCグループ(本部・英国)は14日、横浜市中区に「HSBCプレミアセンター横浜支店」を開設した。金融資産1000万円以上の「マス富裕層」を対象に、投資信託や外貨預金などを組み合わせた資産運用・管理サービスを提供する。専任の担当者が付き、じっくり顧客の相談に乗るのが特徴という。
横浜は、都内の一等地に1月開設した赤坂、広尾両支店に次ぐ3店目。同社ではこれまで、個人向けは資産3億円以上を対象としてきたが、子育てや住宅ローン返済が一段落して多少余裕のある50歳代や、退職金を受け取った世代の運用ニーズ獲得を狙っている。
横浜銀行も資産運用ニーズの取り込みに向けた戦略を強化する。先月、東海東京証券と共同出資で証券子会社「浜銀TT証券」を設立すると発表。2008年度中の営業開始を目指す。
銀行本体でも、投資信託などを扱っているが、共同店舗として、銀行支店内に証券の店舗を開くことで、より幅広い品ぞろえが可能となり、「証券会社などに行ってしまっていた顧客の運用ニーズを取り込める」(広報)という。
日本生命保険が、横浜駅西口に構える来店型店舗「ニッセイライフプラザ横浜」(横浜市西区)では、一時払い終身や定額年金など、運用型の保険商品の販売にも力を入れる。「銀行や郵貯に預けられたお金をどれだけ任せてもらえるか」と、こちらも、運用ニーズに照準を定める。さらに、生命保険の解約を防ぐなどの目的と併せて、契約者への訪問活動にも力を注いでおり、「銀行とは違う継続的なアフターサービスで満足度を高めてもらい、新たな運用ニーズを引き出したい」としている。
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