世界第2位のエネルギー消費国である中国がまた原油輸入を加速しそうだ。
国際エネルギー機関(IEA)報道では、国内製油会社の負担を和らぐため、政府は近日中に原油輸入関税の税率を引下げるかも、とのこと。特に農業で種まきシーズンを迎えるこの時期、ディーゼル需要が急拡大する可能性から、燃料不足が発生する恐れがあると指摘。目先の原油高騰に更に火をつけそうな状況だ。
産業間で価格転嫁を繰り返す中、消費者末端レベルでの物価上昇トレンドはすぐに解消されないだろう。景気が良くて、値段をいくら引上げても買ってくれる消費者がいればいいが、とても現在はそんな状況ではない。同じインフレでも今回はいつもと異なるわけだ。
さて、先日、IMFが世界経済見通し2008年を発表した。世界景気の減速傾向は顕著で、2008年実質経済成長率について米国は0.5%、ユーロ圏は1.4%、世界経済の成長見通しも3.7%と予測、「世界不況の可能性」が指摘されている。
その一方で、ユーロ圏の3月消費者物価指数は単一通貨ユーロ導入後、過去最高となる3.5%に達し、米国においては消費者物価指数の上昇に伴い、実質マイナス金利の状態にある。世界経済は景気減速と物価上昇が同時進行するスタグフレーションの「入口」に立っているということだ。
本来、「株式」はインフレ対応の金融商品であるが、今後想定されるインフレが景気減速と同時進行する悪性のインフレであるとすれば、企業業績が悪くなる以上、「株式」では中長期的に勝てない可能性があるかもしれない(短期は十分に可能)。この場合、どのような対処方法があるだろうか。
1.ショート(空売り)をする。
2.ベア(弱気)型投信を購入する。
3.実物資産(原油・食糧・金)に投資する。
この中で3の実物資産への投資の代替手段としてETF(Exchange Traded Fund-指数連動型上場投資信託)も考えられよう。ETFの魅力は、指数に連動する商品であることから個別のリスクをとらずに分散投資効果が得られ、一般の投資信託に比べてコスト(信託報酬)が低いことである。
現在、単純な株価指数連動型のETFのみならず、様々な商品関連のETFが主要先進国市場に上場されている。株式の「ロング」ばかりではなく、これらのものへの投資もあわせて検討する価値がありそうだ。
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