住友信託銀行は19日、金融機関が富裕層の資産運用を一括して引き受ける「ラップ口座」について、金融資産1000万円以上から申し込める小口商品を、11月にも投入する方針を明らかにした。資産に応じたきめ細かいサービスを提供することで、競争が激化する準富裕層向け営業を強化する。
ラップ口座は、顧客が大まかな運用方針を示し、金融機関が預かり資産を一括して運用・管理するサービス。住友信託は昨年2月から始めたが、機関投資家向けのノウハウや顧客ニーズに対応した運用手法を売り物にして、契約件数で約100件、預かり資産残高は80億円を突破している。
最低契約金額は金融資産3000万円以上だが、新たに1000万円以上から契約できる商品を導入する。運用対象となる金融商品や具体的なサービスは今後詰める。現在のラップ口座商品については、逆に最低契約金額を引き上げる方向で検討している。
ラップ口座の認知度が高まってきたことや、幅広い資産層のニーズにきめ細かく対応する。株式などの金融市場が不安定な動きをみせる中で、ヘッジファンドや先物など幅広い投資商品を組み合わせて運用するラップ口座は、リスクを分散する資産運用としても注目を集めている。
銀行や証券会社など金融機関では、ポスト団塊世代や準富裕層の獲得競争が激しさを増している。ラップ口座をめぐっては、一部の証券会社でも最低契約金額を引き下げて小口化する動きが出ている。
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