― Unilever Vietnam会長インタビュー ―
Unilever Vietnam社は、オフィスをホーチミン市1区からNam Sai Gonに移転した。脱中心街をはかる企業として、多国籍企業で初となる。オフィスの移転、またベトナムでの12年間の活動についてMarijin Van Tiggelen会長にお話をうかがった。
Q: 12年間のベトナムでの活動を振り返って。
A: 高い評価をいただいていると感じています。また、弊社製品を利用していただいたベトナムの消費者皆さまに、大きな影響をもたらすことができたと思っています。
Q: 他国のUnileverとの違いは?
A: 比較の方法は様々あり、例えば売上で見るならばベトナムのUnileverはインドやインドネシアなど一部の国々より低い状況です。しかし 人口と経済発展の関係に立てば、ベトナムのUnileverの売上はベトナムのGDPの1%近くに達し、これは各国のなかで上位に入ります。
Q: 企業の社会的責任(CSR)において、様々な取り組みを行っておられます。
A: 私どもにはCSRという言葉が生まれる以前からの、これに関する長い歴史があります。Unilever創立者は設立当初から、成功を得る唯一の方法が、消費者の基本的ニーズに対応することにあると理解していました。
例えば、消費者の健康を高め、衛生状態を改善できる石鹸を適正価格で提供しています。この他の商品も、この考えに基づき発展してきました。私どもはCSRが事業活動と切り離せないものだと考えており、つねに事業を社会的活動とともに行っています。
CSRはプロジェクト毎でなく、恒常的に、継続して行っています。現在は保健省、教育訓練省、ベトナム婦人連合会と3つの協力プログラムを実施しており、2010年まで全国で実施します。
Q: ベトナムでの活動から12年を経たこの時期に、新しいオフィスを建設された理由は?
A: 業績の急成長と、オフィス空間が手狭になってきたことから、新しいオフィスの建設を5年ほど前から考えていました。
Q: モダンで、広々としたオフィスですね。
A: 設計はオフィスの開放性に配慮し、各部署が直接、素早く連携し、決定できるようにしました。ヘルスケア、フィットネス、休憩スペースもあり、自然に交流し、社員が一つの家族のように結びつくような条件を整えました。
1階の大部分は、モデルキッチンなど、私どもの製品の正しい使用をご案内するためのお客様との交流スペースとなっています。
Q: しかし中心部から離れれば、社員にとっては不便になるのでは?
A: 私たちは、より多くの社員が職場の近く、もしくは7区に住める方法を探しています。社員によりよい機会が得られるよう、適当な価格帯のマン ションが増えることを望んでいます。これはNam Sai Gon地区で生活、仕事をする人を増やすことになり、市の計画をよりよく実現する助けにもなると思います。
Q: オフィス移転により転職した社員は?
A: 一部には退職した人もいます。私どもは、深刻化する渋滞を避け、社員の通勤がより容易になる方法を様々考えています。送迎バスも運行しています。
Q: 新オフィスの建設にあたり、事業活動の拡大をなされる計画は?
A: 新製品、新ブランド、そして生産技術、設備への投資という形で事業拡大を続けていきます。我が社の最大の投資は製品の改善、改革だと思っています。私どもは毎年、約50の新製品・新パッケージを投入しています。
Q: 多くの商品が値上がりしています。御社で値上げをされる予定は?
A: インフレの影響については2006年から準備してきました。物価が上昇すれば、人はより必要なものにあてるべく、日常の支出を一部減らすようになります。
私どもは、最良の製品を受け入れられる価格で提供していくことで、ニーズに応えていきます。全ブランドで多様な価格帯で多くの選択肢を提供することに努めます。会社の利益も保証しなければなりませんが、値上げはインフレ率より低い水準になるでしょう。
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