印タタ自動車：東証上場へ 円建て「預託証券」第１号

　インド財閥系の自動車メーカー、タタ自動車が年内にも東京証券取引所に上場することが２日、分かった。株式とほぼ同じ機能を持つ日本型預託証券（ＪＤＲ）による上場で、０７年のＪＤＲ解禁後、第１号となる。

　ＪＤＲは、アジアの上場企業が発行した株式を信託銀行が預かり、それを裏付けに円建て証券を日本で発行、上場する仕組み。解禁により、国の規制で海外市場に株式を直接上場できないインド、台湾などの企業が上場できるようになった。

　タタは、金融庁や東証とＪＤＲの取引制度について協議中で、市場環境などによっては大型上場案件になる可能性もある。

　東証には９１年のピーク時に１２７社の外国企業が上場していたが、東京市場の株取引低迷や割高な事務コストのため、上場廃止が相次ぎ、現在、２５ 社に落ち込んでいる。ＪＤＲ解禁により、新興国企業の日本での資金調達を促すと同時に、日本の個人投資家が成長力の高い海外企業に円建て投資できるように なり、東証関係者は「市場活性化につながる」としている。

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　◇タタ自動車

　インドでの販売シェアがスズキに次いで２位の大手自動車メーカー。３月に米フォード・モーターから英老舗自動車メーカー「ジャガー」や「ランド ローバー」の買収を決めるなど豊富な資金力を持つ。１月にインドでのモーターショーで世界で最も安い１０万ルピー（約２８万円）の超低価格車「ナノ」を公 開したことでも注目を集めた。