インド中央銀行(RBI)は4月17日、市中銀行を対象とする現金準備率(CRR)を0.5%引き上げ、8%とすることを決定した。PTI通信が報じている。
引き上げは2段階に分けて行われ、最終的に1,850億ルピーがRBIに吸収されることになる。インフレ率が7.14%と3年ぶりの高水準を記録する中、4月29日に予定されている2008年度金融政策の発表を待たずして手を打った形だ。CRRの引き上げにより通貨供給量が制限され、市中銀行が貸出および預金の金利を引き上げる可能性もある。
RBIは声明の中で、「現在のマクロ経済、金融情勢、今後の流動性状況、インフレ抑制への期待などを考慮すると、迅速かつ適切な対応が不可欠である。現在の状況では、CRRを2段階で計0.5%引き上げ、8%とすることが望ましい」としている。
インド銀行協会(IBA)のチーフ・エグゼクティブ・エコノミスト、H.N.シノール氏は、「インフレ抑制効果は期待されるが、銀行は(29日発表の)金融政策を見るまではとりあえず金利を据え置くだろう」と読む。
一方、オリエンタル商業銀行のアレン・ペレイラ専務は、個人ローンや2軒目の住宅購入のためのローンなどで貸出金利が上がる可能性があると指摘。また、純利子差益を確保するために一部の銀行がプライムレート(最優遇貸出金利)を引き上げる可能性があると見ている。
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