7日後場の東京株式市場では、一段高。平均株価は前週末比157円01銭高の1万3450円23銭と急反発した。上海、香港などのアジア株式市場やGLOBEX(シカゴ先物取引システム)の米株価指数先物など海外株が堅調に推移した上、昼休みの立ち会い外バスケット取引で「100億円の買い越し」(米系証券)といい、後場寄りから買いが先行。「ラージ70に海外マネー流入」(外資系証券)との指摘も聞かれ、買い安心感を誘った。午後2時すぎには先物への大口買いに平均株価が一時192円高まで上げ幅を広げる場面もあったが、先物市場で「1万3500円OBに5000枚売り(平均株価先物1万3500円以上でより高い値段で売る注文)」(市場筋)と観測され、買い一巡後は伸び悩んだ。
市場からは、「先物主導だが、13週移動平均線を既に上抜き、1万3500円水準を目指す強い動きだ。米国の景況感悪化や信用収縮懸念は織り込み済みとの見方が台頭しており、売り物が出難いなか、減税効果など今後の改善を期待した買いが入っているもよう。ただ、今晩のアルコア決算など米企業決算が徐々に出始めるため、一つ一つ確認していきたい」(大手証券)との声が聞かれた。東証1部の騰落銘柄数は値上がり1169、値下がり445。出来高は18億3210万株。売買代金は2兆1515億円。東京外国為替市場では、1ドル=102円台半ば(4日終値は1ドル=102円30銭)で取引されている。
NY原油先物高を背景に、新日鉱HD <5016> 、AOCHD <5017> 、出光興産、新日石など石油株や、ガス開 <1661> 、国際帝石 <1605> 、石油資源など資源開発株が一段高。鉄鋼原料用石炭価格の3倍引き上げ報道を受け、三井物 <8031> 、三菱商 <8058> 、丸紅、伊藤忠、住友商など商社株が上げ幅を拡大し、三井松島 <1518> 、住友炭 <1503> 、太平発など石炭株も大幅高となった。住友鉱 <5713> 、大阪チタ <5726> 、東邦鉛、邦チタ、三菱マなど非鉄金属株も堅調。08年5月期第3四半期連結経常33.3%増益のクリード <8888> をはじめ、東建物 <8804> 、日綜地所 <8878> 、住友不、ジョイントなど不動産関連株にも物色が継続。東エレク <8035> 、キヤノン <7751> 、アドバンテス、ソニー、コニカミノルタなど値がさハイテク株も高い。3月携帯電話契約純増数でトップとなったソフトバンク <9984> や、KDDI <9433> も指数押し上げに寄与した。個別では、イオン北海道が値上がり率トップとなったほか、ローランドD、井関農、日東網なども大幅高に買われた。
半面、ゴールドマン証が投資判断「売り」に引き下げた東電 <9501> や、同じく投資判断「中立」に引き下げた東ガス <9531> 、大ガス <9532> など電力・ガス株が軟調。原料炭高騰に伴うコスト負担増が嫌気された新日鉄 <5401> 、JFE <5411> 、大同特鋼、住金など鉄鋼株もさえない。個別では、08年3月期業績推定値と配当予想を減額したゼファー <8882> がストップ安比例配分。アドヴァンが連日の年初来安値更新に値下がり率トップとなったほか、グッドウィル、東スタイル、大日住薬なども急落した。
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